1.腸の健康は、『うんち』に反映されます
近年、腸内細菌の研究が進み、腸の働きが食べ物の消化・吸収や排泄だけでなく、全身の健康とも深くかかわっていることがわかってきました。
腸は、大きく小腸と大腸に分けられます。それぞれの働きは、
腸の働きがうまくいっていて良い腸内環境が保たれているかどうかは、腸を通過してきたうんちをチェックすればわかります。
うんち博士こと辨野義己先生は、著書『大便革命』の中で、「ご自分の大便を積極的に観察することをオススメします。ご自分の大便を見れば見るほど、健康度が見えてきます。」とおっしゃっています。
2.あなたは、腸からどのような手紙をもらっていますか?
1:形は?
①小さくて硬く、うさぎのふんのようにコロコロしている
②コロコロした小さな塊がまとまったソーセージ状
③表面にひび割れのあるソーセージ状
④表面が滑らかで軟らかいソーセージ状
⑤形がはっきりした小さな塊の軟便
⑥形がはっきりしない泥状の便
⑦固形物を含まない水様便
①・②は、便秘。
③・④・⑤は、普通便。特に④は理想的なうんち。
⑥・⑦は、下痢。(ただし、下剤を使わない場合)
2:色は?
うんちの色調は、食べた物に影響されます。黄色から黄褐色がかったうんちの場合は問題ないです。
3:排便の頻度は?
便秘とは、排便が3日以上ない状態のことをいいます。
4:臭いは?
腸が健康であれば、あまり臭わないです。
3.腸内環境とは?
私たちの腸の中には、約1.5kg(1000種類以上、600兆~1000兆個)の細菌がすんでいると言われ、指紋や顔がひとりひとり違うように、腸内細菌の種類と組み合わせは千差万別。そして、人の身体に良い影響を及ぼす「善玉菌」、腐敗産物などを作り出す「悪玉菌」、まだ生理機能がよく分かっていない菌が常にせめぎあってバランスをとった状態を保っています。
善玉菌優勢だと、腸内で発酵が起き、『臭いがきつくなく、黄色から黄褐色がかった、表面が滑らかで軟らかいソーセージ状のうんちが、毎日出る』ことになります。
また、悪玉菌優勢だと、腸内で腐敗が起き、便秘・下痢・臭いうんちが出るなどになります。
また、うんちが出ない状態が長く続くと、腸内で腐敗から有害物質が発生します。この有害物質が腸壁から吸収され、さまざまな身体症状
などになってでてきます。
4.腸内細菌が関連する疾患
近年、腸内細菌はいろいろな疾患に関係していることが明らかにされています。
便通異常や腸の病気だけでなく、私たちの健康にさまざまな影響を及ぼしていることがわかってきました。
5.腸内環境を悪化させる要因
善玉菌と悪玉菌のバランスが乱れる要因は、
などがあります。
6.腸内環境改善には?
私たちの健康には、悪玉菌を減らして善玉菌優勢な腸内環境を維持することがとても大事です。それには、腸内を腐敗ではなく、常に発酵状態にしておかなければなりません。
①バランスよく食べる
1日3食、規則正しくバランスの良い食事をとることが大切です。
②腸が喜ぶ食事をとる
それは、善玉菌を増やす食事です。
ひとつには、ビフィズス菌・乳酸菌・麹菌などを含むヨーグルト、納豆、みそ、漬物などの発酵食品を食べることです。
ポイントは、いろいろな種類の発酵食品を毎日腸に送り続けることです。
ふたつめには、腸内の善玉菌のエサになる、食物せんいやオリゴ糖などを含む食品を食べることです。
ポイントは、腸内細菌は多種多様なので、ある種のものだけを過剰にとるのではなく、多くの食品をバランスよくとることが大切です。
③規則正しい生活
④適度な運動と十分な睡眠
⑤ストレス解消法を見つける
⑥ ②の腸が喜ぶ食事がなかなか摂れない方は、機能性食品のシンバイオティクスを摂取しましょう。
シンバイオティクスとは、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたものです。
プロバイオティクスとは、腸内フローラのバランスを改善することにより、宿主の健康に好影響を与える生きた微生物。また、それらを含む製品や食品のこと。
プレバイオティクスとは、非消化性の食物成分で大腸に存在する単一、または限られた種の有益な細菌の増殖を促進、または活性化し、宿主の健康を改善するもののこと。
かぎや薬局
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