生理痛はないのがあたりまえ!って、

ご存じでしたか?


1.生理になると、下腹部や腰の痛みを感じる女性が多くみられます。「生理だから仕方がない!」と諦めていませんか。漢方では、生理時に痛みがないのが正常と考えています。また、女性にとって生理は、健康をチェックするためのバロメーター。ご自分の生理の状態を把握して、婦人病予防に役立てましょう。

 

正常な生理の目安とは、

周期:28~35日

日数:3~7日

経血量:約50~100ml(総量)

経血の色:やや暗紅色

経血の質:サラサラとした液体で、無血塊

 

生理時、単に腰がだるい・お腹が重いといった軽い症状なら問題ありません。もし、下記の「生理痛の重さチェック」で3つ以上あてはまる場合は、子宮内膜症・子宮筋腫など婦人病が隠れている事もありますので、きちんと病院で検査してみてください。

 

《生理痛の重さチェック》

□レバー状の塊がある

□鎮痛剤を飲んでも効かない

□我慢できないほど痛みが強い

□貧血や立ちくらみがある

□痛みで冷や汗が出る

□手足や腹部が冷たい

□顔色が白くなる

□量も日数も多く、経血色は暗い

 

2.女性の一生のうち、平均35年間、およそ350~450回の生理が訪れます。毎回、生理痛で悩んでいるなんて辛いですよね。また、生理痛の時、鎮痛剤を用いる人も多いようですが、鎮痛剤はあくまでも一時しのぎ。漢方で、生理痛の起こりにくい身体づくりをめざし、ストレスのない健やかな生理を保つようにしていきましょう。

 

漢方では、生理痛の基本的な原因は、「瘀血(血の巡りが滞る)」にあると考えます。

 

気になる症状>

生理痛が強い、生理初期に痛みが強い、頭痛を伴うことがある、経血の色が暗く血塊がある、肌がくすみやすいなど

<改善には>

滞った血の巡りをスムーズに整えましょう。

 

また、瘀血を招く要因

  • 身体の冷え
  • ストレスによる気の停滞
  • 体内の気血不足

なども合わせて改善することが大切です。

 

①冷えによる血の巡りの不調

「血」は“冷えると凝固する”という性質があります。そのため

  • 外寒-冬の寒さ、冷房などによる冷え
  • 内寒-冷たい飲食物、薄着などによる体内の冷え

の影響で身体が冷えると、血の巡りが滞り「瘀血」を招いてしまいます。

 

<気になる症状>

生理前・生理期に下腹部が冷えて痛い、生理がすっきり出ない、経血の色が暗く血塊がある、温めると痛みが緩和する、身体の冷え・手足の冷えが強いなど

<改善には>

季節を問わず温かい飲食物、入浴、薄着をしない、運動など身体を温めて、血の巡りを良くしましょう。

 

②気の巡りの不調による血の巡りの不調

「気」と「血」は体内を一緒に巡り、気の働きによって、血の巡りがスムーズに保たれています。ところが、過剰なストレスを受けると気の巡りが停滞してしまうため、血の巡りも悪化して「瘀血」を招いてしまいます。

 

<気になる症状>

生理前・生理期に下腹部が張って痛い、ストレスで生理痛が強くなる、胸脇の張り・痛み、イライラしやすい、怒りっぽい、頭痛・肩こりなど。

<改善には>

リラックスして過ごすよう心がけ、気の巡りをスムーズに保ちましょう。

 

③体内の気血不足

過度なダイエット、慢性疾患などで体力を消耗すると、体内の「気」「血」は慢性的に不足した状態に。すると、気のエネルギー不足や血管内の血も十分にないため、血の巡りをスムーズに保つことができなくなり、「瘀血」を招いてしまいます。

 

<気になる症状>

生理後半の腹痛が強い、シクシクとした痛みが長引く、経血量が少なく経血の色が淡い、だるくて疲れやすい、軟便傾向、顔色は青白いなど

<改善には>

栄養を摂って、不足がちな気・血を養うことを心がけましょう。

 

3.生理期養生法

生理中は身体が冷えやすい時期です。

  • 冷たい飲み物や生野菜・刺身など身体を冷やす食べ物は避けましょう。野菜は、煮物にするなど温野菜にして、温かい飲食物を心がけましょう。
  • 薄着をしないように心がけましょう。特に、冷えやすい下半身は、しっかりガードしましょう。

 

 

【参考】

  • 「血」とは、狭い意味では血液のことをいい、広い意味では身体に栄養を与える物質のことをさします。
  • 「気」とは、目には見えませんが、人が生きるために必要な活動や運動を支えるエネルギー源をいいます。