~しっかり予防、早めの回復~

かぜ・インフルエンザ対策


冬になると、のどが痛くなったり、鼻水が出るといった不調だけでなく、何度も繰り返しかぜをひく、毎年流行するインフルエンザにかかってしまう・・・とお困りではありませんか?かぜやインフルエンザの原因は、主にウイルス感染によるもの。特に「低温」「乾燥」する冬は、ウイルスの感染力が強くなり、生存期間も長くなるので、かぜ・インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。

1.予防

免疫力を高めて、ウイルスに負けない身体づくりをいたしましょう!

漢方では、この免疫力にあたる力を『衛気(えき)』といいます。衛気は体内を巡る「気(エネルギー)」の一つで、身体の表面(鼻・のど・皮膚など)にバリアを張り、ウイルスなどの侵入を防いでいます。また、衛気が充実していれば、万一かぜやインフルエンザにかかった時も、軽い症状で回復することができます。

 

脾胃と肺を養って『衛気』の充実を!

<脾胃が弱いタイプ>

衛気を充実させるためには、栄養をしっかり摂って、体内の「気」を十分に養うことが大切です。でも、栄養を消化吸収する脾胃(消化器系)の働きが落ちていると、体内の衛気やエネルギーが不足しがちになります。

【気になる症状】

疲労感・倦怠感・食欲不振・胃の膨満感・腹部の張り・軟便・舌苔が白く多い

【養生法】

暴飲暴食・冷たい飲食物などは、脾胃の負担になるので気をつけましょう。

 

<肺が弱いタイプ>

肺には、衛気を全身に巡らせる働きもあります。そのため、肺の機能が落ちると衛気のバリアが弱くなり、鼻やのどの状態も悪くなって、ウイルスに感染しやすくなってしまいます。

【気になる症状】

息切れ・汗が出やすい・喘息などの慢性肺疾患がある・かぜをひきやすい・声が弱い・舌の色が淡い

【養生法】

肺は乾燥に弱いため、こまめな水分補給・潤いの多い食材(白きくらげ、白ごま、キノコ類、百合根、梨、はちみつなど)を選び、加湿器の利用などを心がけましょう。

2.暮らしの養生

  • 外出後は「うがい」「手洗い」を忘れずに。
  • 人ごみはなるべく避け、出かけるときはマスクを。
  • 食事のバランスに気をつけ、新鮮な野菜はたっぷり摂るよう心がけましょう。
  • 温かい服装や入浴を心がけ、身体を冷えから守りましょう。
  • 睡眠を十分とって、体力が落ちないように。
  • 室温は20~25℃、湿度は60%前後に保ちましょう。また、寒い日も部屋の換気はこまめに。

3.対処

「かぜかな?」と感じたら、早めの段階で適切な対処をすることで、かぜの悪化を防ぎましょう。

 

①寒気かぜ

背中がゾクゾク、のどがイガイガ、鼻がムズムズっとくる初期のかぜ。

  • 寒気(強い、弱いがある)
  • 悪寒(風にあたると著しく寒い)
  • 発熱(38℃台で、39℃を越さない)
  • 頭痛

「おかしいなぁ」と思ったら、早めの対処が肝腎です。身体をしっかり温めて、体内に侵入した風邪・寒邪を発散させましょう。

【食養生】

身体を温めて邪気を発散(ねぎ、しょうが、にんにく、葛、シナモンなど)

 

②熱感かぜ

熱感があり、のどが強く痛むのが特徴のかぜ。

  • 発熱(39℃以上)
  • 熱感強く、わずかな寒気を感じる場合あり
  • 咽頭痛
  • 頭痛
    身体の熱を冷まして風邪・熱邪を発散させ、重症化を防ぎましょう。
    (インフルエンザは、このタイプを参考にしてください)

【食養生】

涼性のもので熱を冷ます(きゅうり、れんこん、ごぼう、ミント、菊花など)

 

③胃腸かぜ

下痢や胃のムカつきなど胃腸不調を伴うかぜ。

  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 下痢

身体に溜まった「湿(余分な水分や汚れ)」を取り除き、弱った胃腸の働きを整えましょう。

【食養生】

胃腸の働きを整える(しそ、しょうが、みょうが、梅干し、陳皮など)