スマホ・パソコンなどで『目』を酷使している私たちの生活。
眼精疲労・ドライアイさらには、スマホ老眼(スマホの長時間使用などにより、若年層に増えている老眼に似た症状)などの症状に悩む人が増えています。目の不調を放っておくと、頭痛や肩こり、イライラといった症状につながることもあります。さらには、白内障・緑内障・黄斑変性症などの目の病気の早発・進行を促す誘発要因となってしまいます。
目薬のケアだけでなく、漢方で目の不調を予防・改善しましょう。
体質別『目』の対処法
①慢性的な目の疲労感(気血不足タイプ)
漢方では、目の健康は、体内を巡る「血」の栄養や潤い、そして「気」のエネルギーで保たれていると考えます。スマホやパソコンの使い過ぎで目を酷使している・慢性疾患がある・生理などの影響で血を消耗すると、目の血流が不足し栄養や潤いが行き届かなくなってしまいます。その結果、視力の低下・乾燥などの不調が起こりやすくなります。
また、血は食事の栄養を元に生み出されます。気が足りないと「脾胃(胃腸)」の働きが弱くなり、血を十分に養うことが出来ません。すると、目の栄養が不足して、不調を引き起こす要因となります。
〈対処〉
「脾胃(胃腸)」の働きを整えしっかり栄養を摂って、気・血を十分養うことが大切です。また、生理のある女性は、特に血不足を招きやすいので注意してください。
〈症状〉
目―視力の低下・眼精疲労・ドライアイ・疲れると症状がひどくなる
身体―疲労感・倦怠感・めまい・少食・軟便・若白髪・抜け毛・生理量が少ない など
〈食養生〉
気・血を養い、目に栄養を
クコの実・なつめ・ブルーベリー・ぶどう・レバー・にんじん・ほうれん草 など
②目の充血・痛みに注意(気の停滞タイプ)
五臓の「肝」はストレスをコントロールし、「気」をスムーズに巡らせる働きがあります。また、肝の経絡(目にみえない気の通り道)は、目につながっています。ところが、イライラ・憂うつ・過度なストレスなど精神トラブルを抱えていると、肝の働きが低下してしまいます。その結果、気の巡りが滞る・血流の悪化により、視神経や目の筋肉の失調など目の不調が起こりやすくなります。
〈対処〉
このタイプは、精神状態が悪くなると目の症状も悪化しやすくなるのが特徴です。日々のストレスは上手に発散し、気持ちにゆとりを持つことが大切です。
〈症状〉
目―目の痛み・目の充血・まぶたがピクピクする
身体―イライラ・頭痛・肩こり・不安感・不眠・生理痛・生理不順 など
〈食養生〉
ストレスを発散させて、肝を健やかに
菊花茶・緑茶・ジャスミン茶・ミント・あわび・さざえ・あさり・酢・レモン など
③目の疲れ・乾燥が気になる(肝・腎の虚弱タイプ)
漢方には「肝は目に開く」という言葉があります。肝は、全身に栄養や潤いを与える「血」を貯蔵し、血量をコントロールする臓器です。スマホなど長時間使い続けて目を酷使すると体内の血を消耗し、肝の血不足を招いてしまいます。その結果、肝の機能が低下して目に十分な血が送られず、栄養や潤い不足から不調が起こりやすくなります。
また、「肝腎同源」と言われ、肝と腎は互いに補い合っています。そのため、腎が弱くなると肝の機能低下・血不足につながり、目の不調を起こしやすくなることもあります。
〈対処〉
血不足・腎の虚弱といった不調は、加齢とともに起こりやすくなります。中高年以降の方で慢性的に目の不調を感じている方は、肝・腎を一緒に養うことが大切です。
〈症状〉
目―目の疲労・ドライアイ・視野がぼやける・不調の慢性化
身体―腰痛・耳鳴り・めまい・物忘れ・集中力不足・生理不順 など
〈食養生〉
肝・腎を養い、目に栄養を
黒ごま・くるみ・松の実・桑の実・クコの実・山芋・うなぎの肝・レバー など
暮らしの養生
かぎや薬局
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