身体の中から冷え対策

漢方で『温活』しましょう!


  • お風呂に入ってもすぐ冷えてしまう
  • 靴下を履かないと足が冷たい
  • 水仕事が多いと、手がジンジン痛くなる
  • 夏は冷房に弱い
  • しもやけになることがある など

 

「冷え」の症状で、お困りではございませんか?

 

「冷え」そのものは病気ではありませんが、昔から『冷えは万病のもと』といいます。「冷え」を、 放っておくと酵素活性が常に低い状態となり、各臓器の代謝も悪く、全身の臓器の機能低下が起きてきます。さらに、血流も悪くなり、頭痛・肩こり・腰痛・関節痛・生理痛・かぜをひきやすい・胃腸不調などといった全身のさまざまな不調につながります。「冷え」が病気を起こす引き金にならないよう、漢方で温活して、「冷え」を改善していきましょう。

 

 

1.タイプ別冷え対策

冷えといっても原因は人それぞれ。まずは、ご自分の「冷え」のタイプを知り、身体の中から冷え対策をしていきましょう。

 

 ①「血」が不足するタイプ

「血」には、全身を巡って栄養や潤いを与え、身体を温める作用があります。血が不足すると、温かさや栄養などが身体のすみずみまで行き渡らず、冷えて潤い不足に。特に生理のある女性は、血の不足を招きやすいので要注意です。

<主な症状>

手足の冷え、めまい、立ちくらみ、動悸、生理の量が少ない、皮膚・目・口・髪の乾燥、ファンデーションののりが悪い、眠りが浅い、便秘

<養生法>

生理時は、特に冷えやすいので、カイロ・腹巻など意識して温める工夫をしましょう。

普段より食生活に気を配り、不足しがちな血を補いましょう。血を養う甘味のある食材を。(なつめ・クコの実・鶏肉・卵・にんじん・黒砂糖など)

血を消耗する夜更かし、長時間のテレビ・パソコンなどでの目の酷使にも気をつけましょう。

 

②「気」が不足するタイプ

「気」は五臓六腑の機能を保ち、身体を温める作用を持つエネルギーです。気が不足すると、五臓六腑の機能が低下し、冷えの症状も現れます。

<主な症状>

手足の先が冷える、疲れやすく体力がない、息切れ、食欲不振、風邪をひきやすく治りにくい、汗が多い、軟便・下痢をしやすい

<養生法>

食欲が落ちないよう気をつけましょう。

胃腸の働きを高め、体力をつける食材を。(もち米、大豆、いんげん豆、キノコ類、かぼちゃ、山芋、うなぎなど)

 

③「陽気」が不足するタイプ

陽気の源は五臓の「腎」。腎の働きが低下したり衰えたりすると、陽気も不足がちに。すると、「陽気」の身体を温めて体温を保つ力も低下して、全身が冷えやすくなります。

<主な症状>

寒がり、手足が氷のように冷たく手首・足首まで冷たい、下半身が冷える、腰痛、耳鳴り、記憶力の低下、夜間の頻尿、むくみなど

<養生法>

腎は加齢とともに衰えていくため、高齢者・更年期以降の人などは特に気をつけましょう。

腰回りをカイロなどでしっかり温めて、冷えに弱い腎の働きを守りましょう。

腎を補い身体を温める作用のある食材を。(シナモン、唐辛子、山椒、しょうが、八角、ねぎ、にら、えび、羊肉、紅茶、黒豆など)

 

④「血行不良(瘀血)」タイプ

ストレス・生活習慣の乱れ・食の不摂生・運動不足などさまざまな要因により、「血」がスムーズに巡らないため、冷えが起こりやすくなります。

<主な症状>

手足が冷えてジンジンとしびれる・痛い、顔や唇の色が暗い、下肢の静脈瘤が目立つ、頭痛、肩こり、生理痛がひどいなど

<養生法>

ストレス、生活習慣の乱れ、食の不摂生、運動不足などの要因を見直して、血の巡りをスムーズに保ちましょう。

身体を温め、血の巡りよくする食材を。(サフラン、紅花、ウコン、らっきょう、さば、いわし、玄米など)

 

 

2.暮らしの冷え対策

①暴飲暴食を避け、バランスの良い食事を摂りましょう。また、冷たい飲食は控えめに。

②適度な運動で血の巡りを改善し、陽気を全身に行き渡らせましょう。

③下半身は心臓から遠いため、血の巡りが悪くなり冷えやすいので、昔から服装は、「上を薄く、下を厚く」といいます。また、身体を締め付ける下着などは、血行障害の要因になるので注意しましょう。

④シャワーだけですまさず、身体を湯船でしっかり温めましょう。トウキ・コウカなどを入れた薬浴も効果的です。足裏には全身の経絡のツボがたくさんあるので、全身が温められる足湯もおすすめです。